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    星になったテン (北斗七星の伝説)

    • 2015.01.11 Sunday
    • 08:01

    テンは狩りに優れた動物でした。

    大きくは無かったけれど、その決意の堅さで知られ偉大な権威と見なされていました。テンの息子はやはり偉大な猟師になりたいものと思っていました。或る日、息子は何か試しに捕まえてみようかと出かけて行きましたが、それは易しいことではありませんでした。至るところ雪はとても深く、とても寒かったからです。

    当時、地球はいつも冬で暖かい気候などと言うものは無かったのです。息子は長い間収穫も無しに獲物を探して歩き廻りました。ああ、そしてついにリスを見つけたのです。音を立てぬようつま先だって、出来るだけ素早く近寄り襲いかかりました。両前足で抑えつけるとリスが話はじめました。

     「孫よ」とリスが言いました。「殺さないでくれ。いい助言を上げるから。」

    「じゃあ言ってくれ。」と若いテンが言いました。

    「見たところ君は寒さに震えているね。わしの言う通りにすれば、わしらは皆暖かい気候を楽しめるし、そうすれば、餌をさがすのも容易になり今のように餓えなくても良くなるのだ。」

    「何をすればいいか言ってくれ、爺さん。」と若いテンは言ってリスを放しました。

    リスは素早く近く木の一番高い枝に駈け登り、また話しはじめました。

    「家にお帰り。そして何にも言っちゃいけない。ただ、家の中に座って泣き始めるんだな。お母さんがどうしたの、と聞くだろうけど返事をしてはいけない。もしお母さんが慰めようとしたり、食べ物を持ってきてくれても、強引に拒否しなくちゃいけないよ。お父さんが帰って来たら、やはりどうして泣いているんだと聞くだろう。その時は口を利いてもいいのだ。お父さんに言うんだね。“風が冷たすぎるし、雪が深すぎる。地球に暖かい気候を持ってこなくちゃ。”って。」

    そこで、若いテンは家に帰りました。そして家の片隅に座り泣き始めました。お母さんがどうしたのと聞いても答えようとはせず、食べ物を持って来てくれると押し返しました。お父さんが帰って来ました。一人息子が泣いているのを見て側に来ました。

    「どうかしたのかィ?」とテンが聞きました。

    そこでやっと若いテンはリスが言った通りのことを父親に言いました。

    「僕が泣いているのは風が冷たすぎるし、雪が深すぎるからなの。冬のために僕達はみんな餓えているんだよ。お父さんの力で暖かい気候を持ってきて欲しいんだ。」

    「とっても難しいことを君は要求しているんだよ。」とテンは言いました。「でも、君の言うことは正しい。どこまで出来るか判らないけれど、力の限り試してみようじゃないか。」

    それからテンは大宴会を開きました。友人たちをみんな呼び集め、これからしようとしていることを打ち明けました。

    「今から、空の国が地球に一番近いところに行くつもりだ。」と彼は言いました。「空の国の人達が暖かい気候を全部持っている。その幾ばくかを持ち帰るつもりだ。そうすれば雪が溶けて、充分な食べ物が手に入るだろう。」

    友人達はみなその計画を大変喜んで、同行を申し出ました。そこで、出掛ける時テンは最も強い友人達を選んで旅立ちました。それはカワウソと、山猫と、アナグマでした。四人は連れ立って長いこと雪の中を歩きました。彼等は山に向かっていました。毎日毎日、昨日よりも高い山を目指して歩き続けました。テンは干した鹿肉を持ってきていたのでそれを食べ、夜は雪の下で眠りました。

    ついに、何日も何日も歩いた後で、やっと一番高い山にたどり着きその頂上に登ったのです。それからテンは袋からパイプとタバコを取り出しました。

    「四方にタバコの煙を奉納しなければ」とテンは言い、四人でタバコを吸い、ギッチー・マニトゥに成功を祈りました。

    空は彼等の頭上に非常に近いのですが、その上の国に入るための路を開けなければなりません。

    「飛び上がらなくちゃ」とテンが言いました。「誰が先に行く?」

    「僕がやって見よう」とカワウソが言い空に向かって飛び上がりましたが、空に穴を開けることは出来ませんでした。逆に、落ちて山の麓までお腹ですべり下りてしまいました。

    今でもカワウソは雪の中をその時と同じように滑っています。

    「今度はわしの番だ。」と山猫が言いました。山猫も飛び上がりました。空にかなり激しくぶつかり、落ちて気を失ってしまいました。そこで今度はテンが試してみましたが、彼でさえも充分な力が無く成功しません。

    「君の番だ。」とテンはアナグマに言いました。「君が一番強いんだから。」

    アナグマが飛び上がりました。非常に強くぶつかり落ちてしまいましたが、諦めません。何度も何度も飛び上がり、空にひびが入るまで続けました。もう一度飛び上がって、とうとう穴を開けることに成功しました。テンも彼に続いて空に入って行きました。

    空の国はとても美しいところでした。暖かく、太陽が輝いていてあらゆる種類の草木や花々が育っているのです。そこら中で小鳥達が囀っているのが聞こえてきましたが、人の姿は見えません。どんどん進んで行くと、ロング・ハウスが何軒も建っているところへ来ました。

    その中をのぞくと、鳥かごがいっぱいあって、それぞれ違った種類の小鳥が入っていました。

    「狩りをするのにいい。」とテンは言いました。「開放しようじゃないの。」

    手早くアナグマとテンは鳥かごを作るのに隅々を結んである皮ひもを噛み千切り、小鳥達を逃してやりました。小鳥達はみなさっき開けた穴から逃げ出したので、今世界にはあらゆる種類の小鳥達がいるのです。

    アナグマとテンはさっき開けた空の穴を今度は大きく広げ始めました。空の国の暖かさがその穴を通って下の世界に落ちて行き、雪が溶け始め、雪の下にあった草や木の芽が緑色に変わり始めたのです。

    空の人々が気付いて出てきました。アナグマとテンに向かって大声で怒鳴りながら走って来ました。

    「泥棒!」と彼等は叫びました。「暖かい気候を盗むのを止めろ!」

    アナグマは穴から飛び降りて逃げましたが、テンは穴を広げ続けました。充分大きく広げなければ空の人々がすぐ修理して塞いでしまうと思ったからです。そうすれば下界はまた冬に逆戻りではありませんか。

    せっせとテンは穴を広げるために噛みつづけ、空の人々が近くまで来て捕らえられそうになるまで止めませんでした。穴は下界が半年は暖かくいられるに充分な大きさになりましたが、年中暖かい気候を楽しむのに充分ではありませんでした。だから毎年冬は戻ってくるのです。

    テンは空の人々が空の穴を閉じようとするだろうと判っていたので、気を反らすために彼等を嘲って挑戦しました。

    「わしはテンだ、偉大な猟師だ。」と彼は言いました。「お前らなんかがわしを捕らえられるものか。」そして空の国の一番高い木に登りました。

    空の人々はみんな彼を追いかけましたが、もう後少しで捕まえられそうになった時、一番高い枝に飛び移りました。そこまでは誰も追いかけて来られません。

    初めのうち、空の人々はどうしていいか判りませんでした。やがてテンに向かって矢を射はじめたのですが、テンには特別な能力があるので傷つきません。彼の尻尾の或る一箇所だけが命取りの場所なのです。やがて空の人々にはそれが判ってきました。そして、ついにその急所に矢を射込んでしまいました。

    テンは仰向けに転ろび、落ちて行きましたが、下界には落ちませんでした。約束を守ったことや、全ての人々のために良いことをしたテンをギッチ−・マニトゥが哀れに思って地上に落ちる前に空の星の仲間に入れてくれたのです。

    今でも空を見上げたら、彼を見ることができます。人々はその星座の形を『大ビシャク』と呼んではいます。

    毎年彼は空を横切って行きます。空の人の矢が彼を射止めた時、冬の空に仰向けに転びましたが、冬の終わり頃になると忠実にも彼は再び四足で立って、暖かい気候を地球に持ち帰るための長い旅に出て行くのです。(オジブエー族の民話)


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